文化祭の準備が始まりしばらく経ってからのこと。


「じゃあ帳さん!看板お願いしても良い?」

「うん!任せて!」

そう言ってペンキ塗りを始める。


その時だった。

ドンッという鈍い音と、

「高橋くん!大丈夫?」という声が。

功…?



振り向けばクラスメイトに抱えられ、
だるそうに俯いている功。


「功…!」

私も思わず駆け寄る。
片方の手で脇を支え、もう片方の手でおでこに手を当てる。

「梨乃…?なんか…ごめん。」


「大丈夫。ちょっとじっとしてて?
熱…あるみたい。」



朝はそんな無かったのに…
と、とりあえず保健室に…!



「私が功くんを連れて行きます!」

そう言う女子が何人か…
なんでこんな時でもモテるのかなぁこいつは…!

「いや、そこは彼女がいるんだから、…」

そうフォローに入ってくれる早苗と西田くん。

「ごめんっ
私抜けるね、功…肩につかまって」

早苗にありがとうと付け足して、私は功と保健室へ向かった。