「ね、功。功は私のどこが好きなの?」

「え?かなりストレートに聞くね。
んー。」

「早く早く!」

「恥ずかしいから教えてあげない。」

「えっ…聞きたかったなぁ、功の惚気!」

「一体梨乃は誰目線でそういうこと言ってるの?てゆーか煽ってんの?」


ぐんっと功が近く付いて、あと少しでその距離がゼロになってしまいそうになる。


「こ、功…?煽ってなんかない。と思う。」

軽く胸元を押して距離を置こうとする。


「そ。じゃあなんでそんなこと聞くの?
不安にでもなった?」

今度は優しくそう聞いてくれる功。
図星すぎて、なんか話すのも恥ずかしいけど、私はコクリと頷く。

「はあー。それって嫉妬ってことで良い?」

「し、嫉妬ですか、彼氏さん。」

「うん。
れっきとした嫉妬ですね、梨乃さん。」


功は私を見透かしたような顔をする。


「ご、ごめん…?」

「なんで謝ってるの?」

「えっと…自分でも分かんないかな…」

「梨乃が嫉妬してくれて僕は嬉しいけど?」

「本当に?」

「うん。本当に。」

すると功はランチも食べ終え、いつもの能天気モードに戻り、寝息を立てて寝始める。

私はその頭をそっと撫でてみる。

「功…大好き。」

そう伝えるように。