溶け合って、ひとつの音色を生みだす。
響き合う、この感覚が、心地良い。

弾きながら、留加は、目の前で歌い踊る未優を見ていた。
歌声は、以前にも増して自分の心を惹きつけ、久しぶりに間近で見る彼女の踊りは、以前よりもずっと洗練されて美しかった。

(……頑張ったんだな……)

練習している風景を見たわけではない。
だが、見ずとも分かる彼女の努力の跡に、留加は微笑んだ。
そういう彼女のためになら、いくら弾いても惜しくはない。
むしろずっと、弾いていたい───。