小鳥遊 陽夏 【Takanashi Hina】

ーーファイオーッ ファイオーッ


「ふぅ、今日も疲れた〜〜」

放課後、夕焼けに染まった教室で叫んでみる

大きな伸びをして窓の外を見ると

「あ、野球部練習してる」

「あれ?あそこにいるの柊夜じゃん。
あいつ、野球部だったっけ?」

そこに居たのはクラスメイトの橘 柊夜

「みんな青春してるな〜」

私は“ある理由”で部活が出来ない。
だから毎日教室から外を眺めて部活をしている人を眺めている。

何故か気になって視線をまたグラウンドに戻す

「......いない」

そんなもんか、と諦めて帰る支度を始めると

ーーガラッ

「...小鳥遊?まだいたのか?」

ーー私達の夏が始まる