深夏のお母さんから特訓を受け、何とか形にはなった。



その日の夕飯は、当然だけど焼きそば。



「焼きそば、しばらく見るのも嫌…。」



「何言ってるの、明日は坂下先生に作ってあげるんでしょ?」



そうだけどさ…。



「あら、若菜ちゃんは学校の先生が好きなの?」



キッチンで一緒に、後片付けしてた深夏のお母さんに聞かれた。



「ち…違いますよぉ。」



何ですぐ、こういう話になるかな?



坂下は、パパみたいなもので…。



好きとか考えたこと、全然無いんだってば。



「もう、照れないの。

写真あったら、見たいわねぇ。」



写真なんか持ってないし、…ってか照れてないし!



「写真なら、あるよ。」



そう言ったのは、深夏。



いつの間に!?



深夏はデジカメを出すと、お母さんに見せていた。



私も覗き込むと、蒼と一緒にいる坂下の姿が写っていた。



「ミカ、何で写真なんて撮ったの!?」



「ネタ集め。」



あ、そっか…。



深夏は、新聞部のホープだもんね。