半泣き状態の私に 手を差し伸べてくれたのは雅也さんだった 「あの時はほんとに助かったの 雅也さんがいなかったら 今頃あの会社にはいなかったかも」 雅也さんは泣きそうな私の頭に 無言で手を乗せた 不思議と嫌な感じではなかった 『会社どこ?名前言ってくれたら そこまで連れてってやるから』 雅也さんはすぐにわかったのか 手を引いて連れていってくれた