その翌日、ミゲルとカミラが訪ねてきた。

「サーヤ、エリック、結婚おめでとう」

早速祝福の言葉を言ったミゲルに、
「ありがとうございます」

紗綾はお礼を言った。

「まだ気が早いぞ」

たしなめるように言ったエリックに、
「もう決まったのも同然だろ」

ミゲルはポンと肩をたたいた。

紗綾はチラリと、カミラに視線を向けた。

カミラは自分と目があったとたん、すぐに目をそらした。

「なあ、いろいろと話を聞かせてくれよ」

「…別にするほどのことじゃねーよ」

詳しいことを聞きたくて仕方がないミゲルに対し、エリックはやれやれと息を吐いた。

リビングへと足を進める2人の背中を見送ると、玄関に残っているのは紗綾とカミラの2人だけになった。