「エリックが好きなのね?」

そう言ったエミリーに、
「はい」

紗綾は首を縦に振ってうなずいた。

「サーヤが決めたならばそれでいいわ。

私は反対しないし、何も言わない」

エミリーはフフッと笑うと、紗綾の頭をなでた。

「サーヤは、私の妹になるのね…。

私、妹がずっと欲しかったから嬉しいわ。

サーヤがここにきたのは、神様が私の願いを聞いてくれたからなのかしら…なんてね」

エミリーはテヘッと舌を出した。

「私も、嬉しいです」

紗綾は言い返した。

(エリックと結婚するって言うことは、家族になるって言う意味でもあるんだな…)

自分は、もう2度と家族に恵まれないんだろうとあきらめていた。