その日の夕食時だった。

「姉さん」

食事をしながら、エリックはエミリーに声をかけた。

「何?」

そう聞いたエミリーに、
「明日、朝ご飯を食べたら彼女と一緒に街へ出かけるから」
と、エリックは答えた。

「えっ…ああ、そうなの?

わかった、明日はサーヤと一緒に出かけるのね。

帰りはいつ頃になりそう?」

「少なくとも、夕食時までには帰るから」

エリックは淡々と姉の質問に答えた。

夕食を終えて、さっさとリビングを後にしたエリックを見送ると、
「あの子もなかなかやるわね、サーヤをデートに誘うなんて」

エミリーは後片づけをしているクレアに話しかけた。

「そうですね」

クレアは返事をすると、空っぽになった食器をワゴンに乗せた。