エリックはプイッと横を向いて紗綾から目をそらしたが、
「あの…!」

紗綾は彼に向かって声をかけた。

「何?

用があるならば早く終わらせてくれないか?」

エリックは紗綾と目をあわせたが、一刻も早くこの場から離れたいと言うような顔をした。

「サンドイッチ、ありがとうございました。

クレアさんから聞きました」

紗綾はお礼を言うと、エリックに頭を下げた。

「別に、俺は君のために作った訳じゃないんだ。

仕事の終わりで腹が減っていたからついでに作っただけだ。

勝手に勘違いをするな」

エリックはそう言い返すと、早足でその場から立ち去った。

彼の姿を目で追うと、ドアを開けて部屋の中へと入って行ったのだった。