結婚式は親しい人だけを招いた小さな、だけども華やかなものにした。

「おめでとう」

「幸せになれよ」

カミラとミゲルが祝福の言葉を自分たちに言った。

ウエディングドレス姿の紗綾の隣にいるのは、白いタキシード姿のエリックだ。

「エリック」

紗綾が名前を呼ぶと、エリックは微笑んだ。

「サーヤ」

返事をするように自分の名前を呼んだエリックに、紗綾の心臓がドキッ…と鳴ったのがわかった。

「おやおや、とても初々しいことですこと」

微笑ましそうに言ったクレアに、
「ここから2人は少しずつだけど、夫婦になって行くのよね」

エミリーはしみじみとした様子で返事をした。

「夫婦か…」

そう呟いた紗綾に、
「俺たちは夫婦になったんだよ」

エリックはそう言うと、紗綾の肩を抱き寄せた。