「優斗?」
なんか、怒ってる?
いつもと違う。
「そんなに誠がいいんだ?」
少し私を睨んでいるように見えなくもない。
なんか、怖い。
「な、何言って……」
「優斗、落ち着けお前。」
そんな優斗を見て、誠が止めに入る。
「沙織も誤解するような言い方するな。」
「だ、だって……」
ドキドキして集中できないとか、普通言えなくない?
でもちょっと不機嫌な優斗。
もしかして嫉妬、ですか?
いや、そんなわけないか。
「優斗と二人きりだったら、勉強集中できないから嫌だ。」
とりあえず誤解を解くため、仕方なく本音を話すけど恥ずかしい。
顔があつくなる。
「………じゃあ俺も行く。」
「え?」
「誠の家でやるんだよね?
俺も行く。
誠、それでいい?」
「勝手にしろよ。」
半ば諦めたように言う誠。
「ま、誠……絶対いなくならないでよね?
勉強できなくなるから。」
「もー、なんで誠頼るの?
俺が何もしなかったら二人きりでもいいんだよね。」
「そ、そういうことじゃないから……!」
「誠がいても俺、沙織に甘えるよ?
誠いるなら尚更そういうことしてもいいよね?」
「優斗、一回黙ろっか?
それ以上口開いたら優斗抜きでやるから!」
「えー……それは嫌だ。」
「誠、絶対優斗見張っててね?」
「………お前らいい加減俺巻き込むのやめろ。
まじで迷惑。」
あからさまに嫌そうな顔をする誠だけど、頼るしかないのだ。