「……男は」
「は?」
ふと、口を開いたお義父さんが、御門を見る。
「お前は跡継ぎの男を設けられるのか」
「……男限定なわけ?」
「当たり前だろう。女のようなか弱いものには、家の重圧は支えきれん」
「……女を甘く見ない方がいいと思いますが。いざと言う時には、女の方が何倍も強いです」
あ……御門の機嫌が、どんどん、思わしくない方へ……。
ってか、話の論点も……。
―パンパン
お義母さんが、手を叩いた。
「2人して、なんの話をしているのです。……夏咲さん」
「はい」
「夏姫ちゃんのこと、抱かせてもらっても?」
「あ、は、はいっ!」
腕に抱いていた夏姫を渡す。
夏姫は不思議そうな顔をしていながらも、お義母さんの笑顔見ると、ニコニコと笑い出した。
「ママ」
なんてことを言いながら、お義母さんに抱きついて……。
「夏姫、ママじゃないよ。ばぁば」
訂正を入れると、
「ばぁば!」
あと1ヶ月で1歳になる娘は、そう笑った。