「そっか♪」
満足そうに笑った唯華は、
「今日ね、本当は地下鉄とかで行動する予定だったんだけど……たまたま、蒼綺の仕事が休みだったから……蒼綺が車を出してくれるって」
それは……故意では?
彼を横目で見ると、彼は苦笑い。
やっぱり、調整したんだ。
優しいし、心配性だから……一人で行動させられないんだね。
でも、わかる。
唯華は鈍臭いから。
「今日はさ、赤ちゃんのグッズを見に行こうと思うの!あと、夕方からは病院検診が入っててね、夏咲は?何したい?」
「私は……」
本人は忘れているかもだけど、もうすぐ、御門の誕生日。
だから、御門の誕生日プレゼントと……。
「御門にプレゼントを買いたい。それとね、検診、私もついてっていい?」
「おっけ!じゃあ、めいいっぱい、楽しもー!」
(ごめんね、蒼綺くん……)
鈍臭いくせに、行動力のある唯華。
何度も、何度も、蒼綺くんに迷惑をかけて……。
ハラハラしている彼を見ながら、私は心から謝った。