時間が経つのは、早かった。 「夏咲!」 ぼんやりとした意識の中で名前を呼ばれて、私は曖昧に微笑んだ。 痛くて、苦しくて、 「頑張れっ」 貴方の握ってくれる手が、暖かくて。 ねぇ、御門。 私、あなたを好きになってよかった。 あなたに愛されてよかった。 幸せだよ。 とても、とても、とても―……。