『井上さん、お水飲める?』
顔が真っ赤だった。
いつもキレキレの判断をする脳も、ぼんやりとしているようだった。
挙句の果て……。
『暑い』
とか、言って、服を脱ぎ始めて。
水を零したり、
『抱っこー。えへへっ』
笑ってみたり、
『御門くん』
俺の名前を呼んでみたり、
『大好き』
……そんなことを、言ってくるから。
『うにゃ?』
ベットにダイブした彼女は、同じく寝っ転がった俺を見て、はにかんだ。
『御門くんもねんねするの?』
……酒は、人を変えるらしい。
甘えたに……幼稚園児に、彼女を変えてしまった。
『うん。一緒に寝てもいい?』
残念ながら、来客用のベットも布団もなく。
ソファーもなければ、レンジもない。
自分でもびっくりすぎて、この間、注文した。
だから、ほかに寝る場所がないのだ。
『フフフッ、いいよぉ』
トロン、と、した瞳。
『ギュッてしよ?』
ただ、ただ、可愛かった。
抱きしめていたかった。