暴走族くんと妖精ちゃん

遥華。

俺が初めて会った記憶があるのは4歳のころ。

「わたし、つじどうはるかっていうの。よろしくね?」

「・・・よろしく。」

きれいすぎて素っ気なくしか言えなかった。

真っ白なワンピースに透き通ったブラウンの髪と眼。

笑顔はきれいな花のようで・・・


遥華はどんな過去をかかえている?

俺らなら受け止めてやれる・・・。

話してくれ・・・遥華。



龍牙side end
純side


遥華のあのまっすぐで透き通った眼はどうした・・・

今は真っ暗で闇に包まれている。

誰が遥華を壊した?どうして?

・・・誰が遥華を救うことができる?


俺が救ってやりたい。遥華を助けたい。またあのまっすぐなまなざしで俺を見てほしい。


遥華、待ってろ。

俺が、俺たちが必ず助けに行くから。



純side end
遥華side


静龍のことですっかり忘れかけていた抗争。

実は明日だったりする。

「どうやって攻めるかなあ~」

組長にはおとなしく捕まってもらわなきゃいけないし、こっちにけが人を出したくない。

桃山組の明日の人数はざっと葯300人。

こっちは50人と予備20人で足りるか。

拳銃の目撃情報もあるから特別防弾服を着てかなきゃね。

特別防弾服はね、辻堂グループが辻堂組の抗争のためだけに作った服なの。

拳銃をよけきれなかったとき危ないけど、防弾チョッキは一目でわかってしまう。

そこでかさばらないけど強い素材を何枚も織り重ねてつくった生地を使って特攻服を作った。

特攻服って言っても組だから暴走族とは違ってスーツっぽいんだけどね 笑

私と雅さんの特攻服だけ背中に刺繍が入ってて、私は蝶、雅さんは龍が入っている。

精神的に圧迫するとめんどくさいからな・・・

下っ端を半分ぐらい倒してから攻めるか・・・。

明日は学校休も。

静龍とまた闘うとか言ったら体力消耗しちゃうもんね。

少し寝ようと思ったのは夜中の3時。

すぐに意識を手放す。



______


「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」

部屋に私の声が響き渡る。

「お姉ちゃん!お姉ちゃん!」

鈍器で殴られたような衝撃が頭に走る。



______


「いったあ!!!!」

目覚めるとまだ朝の6時。

・・・またあの夢を見てしまった。
はあ。ハッキングでもしてるか。

カタカタカタカタ

「えっ!」

私でも潜り抜けるのがやっとなこの情報・・・

木原組は知っているのだろうか。

すぐに純に知らせてあげたいところだけどまずは雅さんに確認だな。


私の画面に映っているのは・・・
『6月29日、我ら北条組は木原組を攻め倒す。

木原をバックに付けた後、辻堂潰しを行わせる。

木原には裏切り者多数。

北条に手を貸す模様、人数約50人。』