二人が出てすぐ表側の扉が

勢いよく開け放たれた。


《誰か…居たな…奴ら


か…それとも…》


二つの赤い瞳が部屋を


探り始める…。


《…すでに…居ない…何処

だ…何処だぁぁぁ!!!》


大声をあげながら、周りの

物を破壊した。


完全に目が座っている。


胸にはクロード


に受けた傷が生々しく


残っていた。そう……あの

時クロードにやられ、最後

はセシルドにあっけなく倒

されたベルゼ兵である。


結局クロード達はとどめを

ささなかった…近くの木に

くくりつけ、放置したのだ

が…それがアダ


になるとはこの時思っても

みなかった。


《このまま帰るわけには


いかん…うぐっ》


痛む傷を憎しみの込もった

目で睨む。