先には沢山の兵士と、その

側に居るのは見たこともな

いくらい大きな犬のような
       ・・
生き物だった。それは熊ぐ

らいの大きさがあり、口か

らは長い牙が不揃いに出て

おり、そこからはドロリと

した液体が地面へと滴り落

ちていた。あきらかに犬と

違うのは無機質な両の目と

は別に、眉間のあたりに第

三の目がある事だった。


まるで別の生き物のように

ギョロギョロとせわしく


動いている。何かを


探しているかように地面


に鼻をつけ、匂いを嗅ぐ


仕草をしていた。


(に、逃げなきゃ)


心でそう考えるも


体は思うように動いてく


れない。両足がガクガクと

震える…


(怖い…)


ただ息を殺し、その場所に

うずくまるしか出来ない。