《あいつらが…村を…


母ちゃんを…》


ラキの目は憎悪に満ちて


いた。落ちている木切れ


を拾うと、奇声をあげなが

ら走り出す。


《ラキっ!!》


止めようとするが間に合わ

ない。すかさず魔法を


詠唱する。


『来たれ、大樹の長老トレ

ントス!!』


唱え終わると同時に森が


ざわつき、地面から大量


の根が突き出した。


それはラキの体に絡み付き

自由を奪い、同時に敵の


動きまでも封じた。


《はなせっ!!はなせよぉ》

ラキが体の根をふりほど


こうとするが、余計絡まっ

ていく。


ティアはラキを無視し、


敵の動きに集中する。