《おれも…連れてって》


聞き終えたラキ


がそう言った。


それに対し、ティアはゆっ

くり首を横に振り、優しく

笑った。


《とても危険な旅になるの

…だから連れては行けな》


《行くとこなんてないんだ

ぁ!!》ティアの言葉をさえ

ぎりラキがしがみつく。


《帰る所も…行く宛ても…

だから…連れてい》


《静かに》


いきなり口を押さえられ


て困惑する…。


《……》


何か様子がおかしい。


精霊が静かすぎる…。


ティアは体に力を入れ身構

える。日も落ち、暗闇が視

界をさえぎる中、神経を


辺りに集中させる。


《ほう…気付いたか》


どこからともなく不気味な

声が響いてきた。