息を切らし、やっとの思い

で村にたどり着き辺りを見

渡した。その凄惨さに愕然

となる。酷い…ティアはこ

んなにも悲惨な光景を見る

のは初めてだった。しかし

、気を保ち深呼吸する。


《…救わなきゃ…》


恐怖で震える足にムチ打っ

て生存者を探し回る。


だが、生きてる者など


居ないのではと思える


ほどの光景。


その中で見つけた生存者。

《あの子…》


女性の前で、泣き叫ぶ


少年…。


やがて気を失い倒れる。


周りには今にも襲いかかろ

とする異形の者が、少年に

剣を振り下ろそうとしてい

た。


(いけないっ!!)


咄嗟に体が動く。


『来たれ、神炎の者サラマ

ンド!!!』 


ティアの聖杖から大きな火

柱があがり、まるで生き物

のように異形の者に襲いか

かかる。