「………」



空気の入れ替えをしようとベランダ側の窓を開ける。


ベランダには、出し忘れた生ゴミの袋が二つ仲良く寄り添っていた。




「……小バエ」


「えっ? あぁ、ホント」



交尾しながら器用に飛んでいる小バエ。

リカはちらりと見ただけで、殺す気配なし。



「メシは?」


「あー、うん。ちょっと待ってて」