小学3年生の時、両親が離婚した。
理由は何も教えてくれなかった。
私は離婚をするというこが、もう、3人で一緒に過ごすことが出来ないということだと分かったとき、なにも考えれなかった。
私には生まれた時からずっと仲良しで唯一、幼なじみがいた。
“ 優ちゃん。”
私は女の子みたいに優ちゃんって呼んでるけど、性別は男の子。本名は、長澤 優希くん。

気がつくと私は優ちゃんの家の下にいた。
「優ちゃん。私、どうしたらいいの、、。」
届くはずもない独り言を呟き、そのまま道路に座り込んだその瞬間。
玄関のドアが開き、優ちゃんが出てきたんだ。
奇跡のようなタイミングで出てきた優ちゃんの顔を見た瞬間、私は声を上げて泣いた。
パパやママの前では絶対流さなかった涙だった。
優ちゃんはずっと
「どうしたの?」
「なんで泣いてるの?」
といつもの優しい声で聞いてくれていた。
けど、私は、泣きすぎのせいで嗚咽が邪魔をし、上手く理由を話すことが出来ない、、。
そんな私を見て優ちゃんは、何も言わず泣き止むまで優しくぎゅーっと抱きしめてくれた。
やっと泣き止んだ時優ちゃんは私の頬に残っていた涙を拭いてこう言ったんだ。

「凛ちゃん!
僕、なにがあってもずーっと凛ちゃんのそばにいるから!
凛ちゃんは僕が守るから!」

私は、この言葉にどれだけ救われたことか。
泣いている理由も話さない私を見て、何か察したのかもしれない。
けれどもし、この時、優ちゃんのこの言葉がなければ、今の私は存在してないと思う。

それから優ちゃんはその言葉通り、ずっと一緒に居てくれた。
しかし、それもつかの間だった。

中学初めの頃まで一緒に登下校したり、遊びに行ったり、、。

でも突然優ちゃんは私から離れていった。
理由なんて分からない。
登下校も別。遊びに行くなんてことはなくなった。
少し話すことはあった。けど、その会話は、優ちゃんの顔色を伺いながら、言葉をひとつひとつ選びながら、、、。
前まで当たり前だったとこが当たり前でなくなり、自分の元から大切なものがなくなることは、正直、寂しかった。
悲しかった。

私には優ちゃんだけじゃなく他にも沢山友達がいた。
だったらもう優ちゃんのことなんかほっといて、その友達と楽しく過ごしたらいいじゃないかと思うかもしれない。

けどそんなこと、私には出来なかった。
私の中で、1番はの友達は優ちゃんで、それだけはずっと変えられたかった。
理由は1つしかない。
優ちゃんを失うことは私が私でいられなくなるような気がしたからだ。

私は、ただひたすら、毎日、日課のようにこう願った。
「仲の良かったあの頃に戻れますように」
と。

しかし、その願いは叶うことなく儚く散ってしまった。

ある日突然、優ちゃんは、何も言わず、引っ越した。もちろん、学校も転校した。
優ちゃんは、優ちゃんは、、、、

私の、前から、、、姿を、消したんだ。