着いたそこでは、煌びやかな衣装に身を包み少しでも自分をよく見せようと王や妃に必死に媚びている女達が沢山いました。

アイリスは王子に近づいて行こうと周りを見渡しますが肝心の王子はどこにもいません。

その事を、周りの女達は気にも留める様子もありません。

『そりゃ、そうだろう。

だって、主役じゃなくて普通は親の方から固めた方が都合がいいだろうから。

馬鹿だな。本人の意思も大事よ?』

アイリスはほくそ笑みながら、小さな声で呟きます。

そんな呟きは周りには聞こえず。アイリスは1人別の場所に進んでいきました。