勢いでぶっ飛んだらさすがに受け止めてくれるだろうと、踏んで。


思った通り、光樹くんは驚いきながらも受け止めてくれた。


顔を真っ赤にしながら。


「七瀬ナイス」


「いーよー」


裕樹と笑い合っていると、光樹くんが喚く。


「くっそっ、バカップルめっ!」


光樹くんがそういうと、周りはえっ、みたいな顔をする。


え、やめて違う。


私には伊織います。



「光樹、悪いがそれは昔の話だ」


「はぁ!?いつの間に!?」


「それに、七瀬にはすでに会長っていう思い人が…」


「うっさい。…練習再開しまーす」



伊織をぺしっと叩いて、練習を再開する。


テンポを叩きながらみんなを見ていく。



「ハナちゃんもうちょっとくっついて〜、


リカちゃんテンポ遅れちゃってるよ〜」



そして一通りの流れを確認すると、それぞれペアで練習してもらう。



「里穂ちゃん、ちょっと変わってもらえる?」


「はい」


そう言って、光樹くんの手を取ると、光樹くんは真っ赤になる。


「そんなにビクビクしないで?光樹くんは女の子をリードしなきゃだめなの」


「は、はい」


「その硬い動きだめ。もうちょっと、女の子に気を使って、ちゃんと動いて?」


「は、はい」



ダメ出ししながら、テンポを作っていく。