事前にグループを作ってもらってあるので、固まってもらっている。


そして、伊織はここで休憩。


女の子に触れるわけないので、仕方ないから実行委員1人増やして免除してあげた。


その間、私のペアは実行委員になった裕樹。



「えっと、ここのチームは私たちが担当します。

南七瀬です」


「加賀裕樹でーす」


「呼びやすいようにみんなの名前教えてもらえるかな」



毎回私の始まりはこれです。


名前がわかるだけで指摘しやすくなるから。


「女の子は最初に私とステップの練習をしましょう」


そう言って女の子を集めると、1つずつ丁寧に教えていく。


みんなのみ込みがいい子ばっかりだった。


練習は順調に進む。


そして毎年行き詰るのが、男女ペアになって練習を始める時。


双方が恥ずかしがってしまって、まずくっついてくれない。


「おい光樹、ちゃんとくっつけ」


「うっせぇ。兄貴は黙っとけ」


そして、恥ずかしがってても合わせられない裕樹の弟、光樹くん。


「光樹くん。ことが進まないんだけど…」


「分かってます、分かってますよっ!もうちょっと待って…心の準備がっ!」


駄々をこねる光樹くん。


仕方ないから光樹くんの相手である里穂ちゃんの背中を押す。