そんな私を見て、社長は更に眉間に皺を寄せた。
ふたりの間に沈黙が流れる。

社長は腕を組んだまま天を仰ぎ、そしてがっくりと肩を落とした。

「・・・まぁ、1度本人と話してみましょう。 撮影は1ヶ月後になるんだったかしら」

「はい、スタジオが押さえられなかったので・・・」

撮影までこぎつけられるんだろうか。
社長から何を言われるのかがわからなくて、だんだん声が小さくなっていく。

私が胸の前で握りしめていた手にグッと力を込めた時、社長が少し顔を上げ、思い付いたように言った。

「本当にこの写真の子なのか、確かめたいわ。1ヶ月も待てないから、今日撮影しましょう。水上に連絡して、カメラマン捕まえさせて。撮影場所は会社でいいわ」

思わぬ提案に、ビックリして固まってしまった。

え、今日!?