険しい表情で頭を下げようとする颯太の言葉を遮り、私はきっぱりと断言する。
「この間も言ったけど、私まったく颯太に未練ないから。あんたが誰を好きになろうと自由だし、私に謝る必要なんてないでしょ」
優しい颯太が罪悪感を抱くのもわかる。でも、私が今も颯太を好きなわけではないし、元カノの友達に恋に落ちたってなにも悪いことではない。
むしろ、ふたりが恋人になってよかったと思う。ふたりとも私にとっては特別で、素敵な人だから、心から応援するよ。
「それより、桃花にいーっぱい愛情を注いであげて。ずっと仲良くね」
「……うん。ありがとう」
エールを送る私に、颯太もやっと笑顔を見せてくれた。
寄り添って照れたように笑い合う彼らを見ていると、きっとふたりは大丈夫だろうと信じられる。颯太には、私より桃花のほうがお似合いだ。
すっきりとした気分で不破さんを見上げ、「行きましょう」と告げる。頷いた彼は、桃花たちに「お幸せに」とひと声かけ、会釈をして歩き出した。
桃花たちとは反対方向にゆっくり歩きながら、不破さんが微笑を浮かべて言う。
「やっぱ男前だな、麗は」
「どこがですか」
「でも、本当にあいつに未練ないのか?」
「この間も言ったけど、私まったく颯太に未練ないから。あんたが誰を好きになろうと自由だし、私に謝る必要なんてないでしょ」
優しい颯太が罪悪感を抱くのもわかる。でも、私が今も颯太を好きなわけではないし、元カノの友達に恋に落ちたってなにも悪いことではない。
むしろ、ふたりが恋人になってよかったと思う。ふたりとも私にとっては特別で、素敵な人だから、心から応援するよ。
「それより、桃花にいーっぱい愛情を注いであげて。ずっと仲良くね」
「……うん。ありがとう」
エールを送る私に、颯太もやっと笑顔を見せてくれた。
寄り添って照れたように笑い合う彼らを見ていると、きっとふたりは大丈夫だろうと信じられる。颯太には、私より桃花のほうがお似合いだ。
すっきりとした気分で不破さんを見上げ、「行きましょう」と告げる。頷いた彼は、桃花たちに「お幸せに」とひと声かけ、会釈をして歩き出した。
桃花たちとは反対方向にゆっくり歩きながら、不破さんが微笑を浮かべて言う。
「やっぱ男前だな、麗は」
「どこがですか」
「でも、本当にあいつに未練ないのか?」