私の視界に入ったその天井は、いつもと同じように私を見下ろしていた。



「ん〜……朝………」



(なんだか懐かしい夢を見てた気がしたんだけど……どんな夢だったっけ)



(え~っと……)



思い出そうとしたけれど、私は寝起きが悪い。


きっと思い出せないほどにつまらないものだったのだと早々に諦めて、私は再び夢の世界へ足を踏み入れようとする。



…が、そこで夢の国への旅行がストップした。



バサッ




誰かが私からブランケットを奪おうとしているのだ。



「ん~っ!!!」



手足をジタバタさせて抵抗したも虚しく、私は争奪戦に負けてしまった。




「はい、起きて」




目を開くと青く澄んだ瞳と視点が重なる。



「おはようエリー」




いかにも童話の中の王子様として出てきそうな、美しい顔立ちの青年。



その綺麗な金髪は長さのせいか私の頬をかすめている。



「………おはよ」




少し無愛想に挨拶すると、彼の長い睫毛が顔を見せた。