今、何といった。
 自分でも驚いた。
 お礼を言わなければと思っていたのに、口から出たのはプロポーズ。
 これではナンパだ。
 だが、こんな荒手のナンパはあっていいのだろうか。
 焼け焦げた肌が耳まで染まるのが自分でもわかった。
 犬の散歩をしていたお爺さんが、にっこりとする。
 ちいさなパニックを起こし俺は目を伏せた。
 
 「また、明日の三時にあの木の下で会いましょう。」
 
 ちぎれそうな勢いで上げ見ると、彼女少し頬を染め、はにかんだ。