あれから五年が過ぎた。
 あの後、すぐにパプアニューギニアに行き、君とは会うとこも、話すこともなかった。
 僕は、故郷が寂しくなり、久しぶりに帰ってきた。
 目の前に広がる懐かしい景色に思いを馳せていると、教会の鐘の音が聞こえてきた。
 そういえば、僕が今泊まっているホテルで今日、結婚式があるとホテルの従業員が言っていた。
 僕は、この音に誘われて、少し、結婚式を覗いて見た。
 そこには、真っ白なウエディングドレスを着て、優しそうな新郎に微笑む君がいた。
 とても幸せそうだった。
 そんな姿を見て、本当にすまないことをしたと改めて思った。