それは普段となんら変わりのないある日常のひとコマだった。

午後の授業、ひどく怠惰な空気が漂う教室、半開きの窓、そこから流れ込む生ぬるい風。

ふと辺りを見渡すとずいぶんと視界が開けていて、ここは一番後ろの席なのに黒板が見易いったらない。

それぞれに机に突っ伏す級友に習い、私も窓の外に視線を移してそのままぺたりと低くなった。

もはや気にしないのか、もしくは先生も疲れているのだろう、ねっとりとしたムードの中で授業は続く。