ていうか、誰が瑠花さんを呼んだんだろう。



私は声がした方を見てみる。


そこには知ってる顔があった。




「水口?」



走ってきた水口は私たちの隣で止まった。



「くそー、また逃げられたか。あれ、楓真に島谷じゃん。なにしてんの?」



気づくの遅くないか。


そんなに瑠花さんしか目に入ってなかったの?



「お前、よく飽きないな」


「いやー、瑠花ちゃんと一緒になったら楓真っていう嫌な男が義理の兄になると思うと諦めたいけどさあ。瑠花ちゃん、いい子じゃん。可愛いし」



先の方まで見すぎでは……!?



めちゃくちゃ拒否られてんじゃん!


わかってないの!?



……ああ、そっか。


だから彼女いないんだ、水口。



相手のことを考えずに自分の気持ち、押し付けすぎ。



なーんて、言わなくていっか。


自分で気付け。



「まあそんなことより、瑠花ちゃん。また足速くなってない?」



それは私も思った。