どうしてこういう態度になるのか、不思議でしかない。
ていうか、嫌われたくないって言うけど……
「……もう嫌ってるっての」
しまった、声に出しちゃった。
「うん、辛辣だ」
聞こえたか。
……なんか、声が嬉しそうなんだけど。
ある意味、恐怖。
「井下ー……」
結局自分で解決できなくて、井下に泣きついたせいか、呆れた表情を向けられた。
「お前がこいつに好きにしろって言ったろ」
「そうだけど……」
限度ってものがあるでしょ?
「ったく」
私の心の声を察したのか、井下は本に栞を挟んだ。
「このくだらないゲームの終わりはなんだ」
「二人が別れること」
……マジか。
ていうか、笑顔で言うことじゃないよね?
「じゃあ俺たちはお前が飽きるのを待つしかないのか」
「えー、そこまではっきり言い切る?」
「ああ、言い切る」
つまり井下は、私が絶対に心変わりをしないって思ってるんだね。
……間違いないですけど。
「女子は心変わりが早いって言うけど?」
「初耳だな」
……私もです。
「もしそうだとしても、ほかの女子と島谷を一緒にしないでくれるか」