夏休みが終わり、二学期が始まった。



休み時間になると、私たちの教室に夏祭りのときに助けてくれた爽やかイケメン君がやって来た。



イケメン君の名前は須藤奏汰っていうらしい。


なんでも同じ学年だったようで。



須藤君は学年で一番の人気者だとか。



まあ、あれだけイケメンなら納得だけど。


なぜ私は知らなかったのか……は考えないでおこう、うん。



そして須藤君が私たちの教室に来たことで、女子の黄色い歓声が飛び交った。



そりゃまあイケメンだし。


当然だとは思うけど。



「また会えたね。運命かな?」



爽やかな笑顔で言われた言葉に、引いてしまう。



……こんなタイプですか、面倒だな。



「偶然でしょ」



そう思ったせいか、冷たく言ってしまった。



「なになに?島谷、このイケメン君と知り合い?」



そう言えば、あのとき水口はお姉ちゃんたちといたから、知らないんだっけ。



「彼氏の井下君もだよ」



先輩は井下のほうを見るけど、井下は読書に集中している。



「楓真も?にしては無反応……なのはいつもか」


「瑛斗、一生黙ってろ」