でもたしかに、年下にさん付けっていうのもおかしい話か。
「じゃあ、瑠花ちゃん。瑠花ちゃんは誰と?」
「部活仲間だよ。彼氏でもいたらデートするんだけどねー」
瑠花ちゃんはそう言いながら、井下に竹串を押し付けた。
あれかな。
瑠花ちゃんは井下をゴミ箱かなんかと思ってるのかな。
「だから、俺が彼氏に」
どこから現れた、水口……!
水口は瑠花ちゃんに手のひらを見せるけど、綺麗に払われた。
「うるさい」
そうこうしているうちに順番が来て、私はいちご味、井下はレモン味のかき氷を頼んだ。
「一人か、お前」
かき氷を受け取り、井下は水口に冷たく言った。
「だってよー。誰も誘ってくれねーんだもーん」
水口は口を尖らせた。
「もんじゃねえよ、気持ち悪い。一人ならおとなしく家にいればよかっただろ」
「それは寂しいの!わかって!」