数日後、今日は待ちに待ったクラスマッチの日。


生徒のほとんどが授業がないと喜んでる。



「試合、次?」



体育館の壁の前で、つまらなそうに座っている井下と、その隣で今やってる試合を全力で応援してる水口に声をかけた。


そしてそのまま、井下の隣に座る。



「ああ。いきなり三年と当たる」


「おまけにバスケ部の部長副部長が揃ってんだとー」



私たちの会話が聞こえていたらしく、水口が応援を中断して言ってきた。



それは強敵だ。



でも、井下なら勝てるんじゃないかって思っちゃう。



「頑張ってね、井下。応援してる」


「ん」



……眠そうではないですか、楓真さん。



この人やる気ないな。


……いや、知ってるんだけど。



私がわがまま言わなかったら、バスケなんかやらなかっただろうし。



「なあなあ、島谷。俺は?」



すると、水口が奥で顔を覗かせた。



「知るか」


「冷てえやつー。ますます楓真に似てきてるし。あーやだやだ」