無理やりハクを追い返した後、何事も無かったかの様にセンリはキッチンへ向かった。

ギンもナギも様子がおかしい事は目で見て取れた。


「おい?いいのか?」


「何が?」


「今の話」


「ああ・・」


センリは冷たいお茶をぐっと飲み干した。


「リッカの事なら昔の話だ。もう終わってる。未練もない」


「マジで?」


「そうは見えないけど」


と二人は突進していく。


私はナギの部屋からリビングに戻りセンリの近くへ駆け寄った。


「い、行った方がいいよ!」


「ヒオリ」


「だって、センリ言ってたじゃん・・帰ってくる女の人が攫われる事件があるって」


「・・・」


「好きだった人がそんな目に会ってもいいの?」


「・・・」


「守ってあげないと・・」



思い悩んでいる様だ。

ジッと、手に持ったグラスを見つめている。

そして冷めた声で言われた。


「ヒオリには・・関係ない事だろ?」


「え・・」



ズキン


言葉の刃で刺された感じ。


いやそりゃそうなんだけどさ・・

関係ないんだけどさ・・



「ごめんな。もう休む」


センリは自分の部屋に向かった。