家でおちつく暇もないまま、それは突然やってきた。


「誰か来たぞ」


「今度はなんだ?」


「ヒオリは隠れてて」


「はい」



私はすぐにナギの部屋に一目散に逃げた。


玄関先から嬉しそうな男の人の声が聞こえた。

私はナギの部屋から耳を澄ませる。


「ビッグニュースだ!センリ!!」


「ハク、どうしたんだ?」


それはセンリの働いている学校の同僚だった。


「リッカが戻ってくる」


「え?」


センリは怪訝そうに話を聞く。


「王のもとに行ったリッカが戻ってくるんだって」


「それは・・いつ?」


「明日!」


「確かに・・それは凄いニュースだな。」


「迎えに行こうぜ?」


「ああ・・・行けたらな」


というセンリの答えに、ハクは戸惑った。


「なんで?お前ら恋人同士だったろ!?会いたくないのか?」



ドキン・・


私の心臓がわかりやすくらいに跳ねた。


センリの・・恋人・・女の・・人!?



「昔の話だし。今はもうなんとも思ってない」


「そんな事言うなよー。あいつはお前の事」


「帰ってくれ」


「なっ・・セン・・」


バタンっ

とセンリは強引に玄関のドアを閉めた。