私はなんとか無事に街にたどり着く事が出来た。

脚がガクガクしてへたり込む。


「大丈夫か?おぶろうか?」


「だ、大丈夫・・」


じゃないけど。

飛行機も大嫌いだった私が、鳥の背中に乗るなんてことがあるなんて。

帰りもあれか・・吐きそう。



街の入り口にある木陰で少し休むことになった。

皆は私の為に人間の姿に戻った。

私一人が人間だと不自然だし。


ナギは私を見下して言う。


「弱。先が思いやられる」


「ナギ、ヒオリにとっては全部初めての事なんだからな」


「・・ふん」



そのままナギはふてくされながら先に街へと入っていった。

ギンは呆れてナギを眺めた。



「団体行動がとれない奴め」



今はきっとこの距離感がちょうどいいんだろう。


ギンもナギもセンリも。