「・・・ん」


私は上空で恐怖からそのまま意識を失ってしまったらしい。

目を覚ましたのはそれから数時間後の事だ。


「ここ・・どこ?」


体がバキバキに痛い。緊張で硬直させていたから筋肉痛だ。

辺りは暗く、何処かの施設の様だった。

病院の様な匂いがする。

深いグレーの壁。コンクリートの打ちっぱなしみたいな。


「ヤバい・・私・・センリに連れて行かれて・・・ギン・・」


脳裏に浮かんだギンの苦痛に満ちた顔。

ぼろぼろと勝手に涙が零れてきた。体も小刻みに震えてくる。


「ギン・・ギン・・・」


ただただこの状況が恐ろしかった。