「センリ、お願いだから酷い事はしないで・・二人はずっと私と一緒にいてくれたじゃない。今は私を護ってくれるような存在なんだよ?」


私がそう訴えても淡々とした態度のセンリだ。


「それが演技かもしれないだろう」

「だから違うって」

「勝手に発言するなネコ科」

「フシャーーー!!」


ナギは少し焦りながらもしっかりと二人を庇った。


「とにかく、この城では勝手な真似は許さないぜ。この俺の城でな」


ナギの王様発言。

最高権力者だ。頼もしい。


「一旦落ち着こう。センリいいな」


「・・・そうですね。イザナギ陛下」


棘のある言い方のセンリ。

そしてすぐに二人を問い詰める。


「いなくなる前、変わった様子はなかったか?」


「何も思い当たる節はないな」


「うん・・ない」


ジッ。

と見透かそうとしているセンリを、二人は睨み返した。


「本当にないんだってば」


「では、ツムギとはいつからの仲だ」


「えっと・・・南の国であいつがレストランでウェイトレスをしてた時だ。1年半か2年前」


「2年前・・か」


「何気なく話をして、仲良くなった。何か企んでいる様な感じじゃなかった。そもそもツカサと出会う前だ」


「ふむ」


「ツカサを初めて見た時は控え目な感じだったし・・」


センリがそれを聞き、考え事をしている時だ。

ふらり。

と私の体が勝手によろけた。


「あれ・・」


「ヒオリ?どうした?」


「なんだろう。眩暈かも」


「このタイミングで?」


「うん、ごめん・・急に目が回って・・」


すぐに私をナギが抱えてくれた。


「ちょっと休めよ」


「大丈夫大丈夫」


「大丈夫じゃねえだろ。事件にびっくりしたんじゃね?」


「かも・・」


そう言って近くのソファーに寝かせてくれた。


「ありがと・・ナギ」

「惚れた?」

「え?・・・」

「スルーかよ。ちっ」


こんな時にまで冗談を言うなんて。

クレハちゃんの目が怖いです、はい。