「二人が来てくれたって事は・・ツムギさんがこの場所を?」


「は?ツムギ?」


「知らないけど、ツムギは一緒じゃないのか?」


一瞬、ドクンと嫌な鼓動が身体を支配した。


「え?ツムギさんは昨日一人で脱出したって聞いたから・・・てっきり」


城にも戻ってないって事は、どうしちゃったのかな!?事故とか!?

一気にハラハラしてくる。皆も不思議そうに眉をしかめてる。


センリはギンを探しながら話してくれた。


「俺達はギンからここを聞いた」


ドキン


「ギンが?」

「ヒオリが捕まっているから、連れて帰って欲しいって」

「・・・そ、そっか」


ナギは相変わらずギンに対して怒っている。


「自分で助けろっての!!」


「まあまあ、ギンにも事情があるのよ~」


「どんなだよ」


優しくギンをフォローするカサネさんだ。


「とにかく、城へ帰ろう。ヒオリ」


「あ・・えと・・うん・・」


センリに優しく手を差し伸べられたが、すぐに取る事が出来なかった。

というか、したくなかった。


だって、このまままたギンと離れ離れになってしまう。


「ヒオリ?」


「・・ちょっと・・ギンと話したい」


「・・わかった。そうしたら皆で帰ろう?ツムギの行方も気になるし」


「うん、ごめん」



ナギは大声でギンを呼んだ。


「ギンこらてめーーーー!!出てこいやああああっ!!」


ナギ、田舎のヤンキーですか。

貴方はもう立派な王子なハズでは・・・。


思わず苦笑してしまった。