「さーてと」

辺りに誰もいない事を確認し戻ってきたカサネさん。


「うん、外には見張りはいないみたい。もしかしたら天井にいるかもだけど」

「え゛」

「監視されてる可能性はかなり高いからね。私のこと信用してないだろうし」

「そ、それって・・あのう・・」

「もしいたら私とヒオリのギシアンが見られちゃうわねえ~」

「・・・。」


いや、それ全然冗談に思えないし、笑えないし、無理なんですけど。

私はあんぐりした。


カサネさんは部屋の照明をオレンジにすると、更に照明を落とした。

シュルル。

と浴衣を脱ぐ音が聞こえ、思わずビクついてしまった。


「あら?緊張してる?」


と近づいてきたカサネさん。

白い上半身を露わにして近くに寄りそう。


「えっと・・あの・・冗談ですよね?フリですよね?」

「全然。本気。だって、ギンの為だもん」


ギンの為って・・・。

ギンが望んだって事?

これを?

嘘だ。


「それに、私ヒオリんなら良いわ。むしろヒオリんしか嫌」


ドキン


カサネさん、本気だ。

真っ直ぐ見つめてくる目が真剣なんだもん。