しばらくして、カサネさんが静かに言った。

「人生って思い通りに行かないわよねえ~」

「唐突ですね」

「だって今そう思っちゃったんだもん」

「まあ、私もわかります。この世界に来たのだって・・来たくて来たわけじゃ・・」

「うん・・辛かったね」


とカサネさんは私の頭を撫でてくれた。

ちょっと、今そんな事されたら涙が出てきちゃうんですけど。


「でもね。私ヒオリんに出会って本当に良かったと思ってるの」

「え?どうしてですか?」


可愛い顔がにっこりと優しい笑顔になった。


「だって、ヒオリんが初めて会った時、私の事可愛いって言ってくれたんだもん」


「え?それは普通にそう思っただけで」


「ウフフ・・それが嬉しかったのよおお」


ぎゅうううっ

とおもむろに抱きしめられた。