カグラは上機嫌で酒をかっくらっている。

周りの仲間達も大盛り上がりだ。


「ウハハ、これでコウガも安泰じゃはははは」


このジジイ・・あ、カサネさんのお父さんめええええ(怒)

思わず握っていたお箸を折りそうになった。


私は話題を変えたくて必死だ。


「あの、なんのお仕事で来たの?ていうか、体はもう大丈夫?ケガの具合は・・」


「もうすっかり元気よ!ちょっと足が良くないけど、全然動けるし!」


「ごめんね・・もとはと言えば私のせいで」


カサネさんはセンリに殺されかけてしまった。私のせいで。

あの出来事は絶対に忘れない。死んでも。


「いいのよ。ヒオリんにも、ギンにも幸せになってもらいたくて・・私」


「カサネさんは本当にギンが好きだね」


「え?ええ・・そうね。いつからかずっと好きよ」



にっこり。

とカサネさんはいつもの笑顔を向けてくれたのに、私はその笑顔に後ろめたさを感じてしまった。


ごめんね、私も・・ギンの事好きになっちゃったのに。


しゅん、としぼんだ私をカサネさんはすぐに察してくれた。


「やあねヒオリん。そんな顔しないで。今までの事、ギンから全部聞いてるし~。私はギンが幸せなら幸せなんだから」


「え!?全部って何!?」


「うふふ」



全部って何!?

一体どこまでをーーーー!!??


ギンを睨んだけど、ギンはちっともこっちには反応してくれなかった。

この前と一緒。

完全無視。


悲しすぎる。