カグラは顎を撫でながら何が考えている。

ギンとカサネさんはその答えをジッと待った。


「その依頼、カサネ次第で引き受けてもいい」


「え!?私?」


ニヤリ。とカグラは不敵な笑みを浮かべた。


「カサネが男を取り戻したのなら、受けてもいい。コウガにも帰ってきていい」

「えええ!?どういう事!?」


「そう言う事だ。馬鹿もの」


カグラの口から笑い声がこぼれている。

カサネさんの顔が真っ青になった。

もちろんギンも。

つまりは体よくあしらわれているのと同じだ。

出来ない事を条件に持ってきたのだから。

カサネさんはたじろいだ。


「私が・・男に?」

「カサネが男に・・って素から男だよな?」

とギン。

「心は女の子なのに?か弱い乙女なのに?」

「あ、ああ?・・・そうだな。ん?そうだっけ?」

「え?ギン?」


ギンの額から汗がこぼれる。

極めつけのカグラの攻撃。


「真の男の条件として、あの女を抱いてもらう」

「んえええ゛!!??」

「!!!」

ビシッ!!!

カグラの指は私を指していた。

私はカグラの声が小さすぎて聞こえず首を傾げたままカサネさん達を見る事しか出来なかった。



カサネさんは青ざめたまま固まっている。

ギンは顔を伏せた。


「・・・」



それからしばらく俯いていたけど、慌てるカサネさんに唸る様に言った。

「そ、そんなの・・ギン・・どうしよう」

「・・・出来る」

「はい?」

「出来るな、カサネ」

「・・・え?」


ギンがカサネさんの肩をグッと抱いた。

訴える様に。