「おい女」


びくっ


なんだ人いたんだ。

四角い隙間から外を覗くと、一人見張りらしき人物が座っていた。


「起きたか」


「あ・・はい・・」


不愛想な感じの人だ。

服装は和服に近い。という事はここは西の国なのだろうか?

口元を布で隠しているので顔はよく見えない。


「お前の連れ、大蛇になって逃亡したぞ」

「え!?」


ツムギさんの事だ。


「お前をおいてな」


「・・・」


私は考えた。

ツムギさんの事だ。きっと誰か助けを呼んでくれるんだ。

きっとそうだ。

うん。きっと。


とポジティブな考えが不思議と浮かんできた。


「お前は変な真似するなよ?脱走なんてしようもんなら、お前の足を一本切ってやる」


ぞわっ

と鳥肌が立った。

なんて怖い事を言うんだこの人は。

やはり悪人なんだろうか。


私は静かにその場に座り込んだ。