不意に城の方を見ると、バルコニーの所から空へと大きな翼が羽ばたいた。


ギン!?


遠くてしっかりと確認できないけど、きっとあれはギンだ!!


ギンであって欲しい。


「ギンーーーーー!!!!」

「あ、ヒオリっ」



その鳥が飛んでいく方向へ私は一目散に追いかけた。


だって、今見失ったら今度こそ逢えなくなる気がする。


「ギン!!待って!!待ってってばああああっ」


私は城から街へと繋がる大きな一本道を駆け下りる。

全速力で、口から血が出そうなくらい苦しくて、横っ腹もかなり痛い。

でも

見失いたくない!!!